炭鉱街の奇跡

中学生の一時期を大夕張で過ごしたことがある。

そこの街は現在のように三笠に抜ける道路はなく

まさにどんづまり。約8000人くらいのの人が暮らし独自の文化を築いていた。

親の仕事の関係で僕は札幌から大夕張の鹿島中学に転校していく。そして早速、スキー部に入部。

転校初日の朝、全校朝礼で「十勝岳大回転大会」で優勝した斎藤先輩と3位に入った益田が校長先生から改めて表彰状を授与されていたのはびっくりだった。こんな山の中の中学生が北海道一なのだから…。

入部したスキー部の夏トレは激烈だった。

まずは8㎞のランニング。そのあと柔軟。

そしてうさぎ跳び、アヒル、バービーだ。しかも前向きと後ろ向きを交互に体育館を10往復くらい。その後スクワット100回、腹筋100回、背筋100回、ダッシュ10本・・・・

スキー部のホームゲレンデは標高差50mほどの富士見スキー場。緩斜面に100mほど設置されたロープ塔とその上の急斜面、石炭ストーブが燃えるロッジもあった。

そしてさらに山奥には標高差300m秘密の滑降コースと宿泊できるヒュッテがあった。

スキー部の学生たちはそのヒュッテに自炊食材を持ち込んで合宿しながら滑降トレーニングに励んだのだ。

ヒュッテ跡地

今は見る影もない。

ダウンヒルコースは50年の時を経ても今だに健在。我々はチョッカりはしなかったがパウダーダウンヒルを楽しんだ。

パウダーにまみれながら、タイムスリップを楽しんだ。

 

雪が降る直前に家の引っ越しで僕は転校して鹿島中学を去る。

だが、スキー部の先輩や同級生、後輩たちとのつながりはいまだに続いている。

 

数年前、札幌で同窓会があり顔を出した。

「はっぴゃくごじゅう」の思い出は尽きなかった。